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国造神社を出発したら国造神社の本宮の阿蘇神社へと向かいますが、その前に集落内を少しだけ散策しました。


国造神社の前のグリーンロード沿いには阿蘇北外輪山から「手野の名水」を経て阿蘇盆地へと注ぐ清流が流れています。画像ではちょっと分かり難いですが、集落の中を流れている小川とは思えないほどとてもきれいで山奥の渓流を見ているようでした。




阿蘇といえば活発に噴火を繰り返す阿蘇中岳や、赤牛の放牧を行っているなだらかな草原のイメージが強くて、渓流や渓谷とはあまり縁が無いような感じですが、北外輪山の麓のこの辺りは阿蘇盆地の中でも特に水に恵まれた地域のようです。




そして川沿いにはこの様な看板がいくつも立てられていました。国造神社に隣接する釣り堀とお食事処の「阿蘇淡水魚センター」がヤマメを放流しているんでしょうか?




そして渓流に架かる小さな橋のたもとには、しめ縄が張られた大小一対の岩もありました。




横に立てられていた説明板によると、この一対の岩は地元では「夫妻石」といわれていて、この地区の人たちから大切に護られているものだそうですが、この夫婦岩は元々は三叉路の真ん中にあったということは、道標の役目をしていたのかも知れませんね




国造神社周辺の散策をして次の目的地へ向かうために車で出発したら、グリーンロードはすぐに平坦な道となって阿蘇盆地へと入りますが、道路沿いには藁で作られた小さな小屋のようなものが見えてきました。この時には特に気にもせずに通り過ぎましたが・・・




100mも進むと再び藁で作られた小さな小屋や水車などが見えてきました。そして木柱には「ようこそ 手野集落へ」と書かれていました。ここには数台程度の車が停められる駐車場があったので、車を停めて見物に行ってみました。




この藁で作られた小さな小屋は「草泊まり」といって、外輪山の麓に住む人たちが牛馬の餌や肥料となる草を冬に備えて刈り取るために、平地から遠く離れた外輪山へ延々と登って行って、草刈りを行う時に寝泊まりをした仮設の小屋だそうです。今ではこの様な小屋に泊まって草刈りをすることはありませんが、交通が発達していなかった昭和30年頃までは、草刈りの時季になると小学校も臨時休校になって、一家総出で長い時は10日間ほどもこの小さな小屋で寝泊まりをして草刈りをしていたそうです。




「草泊まり」の中を覗いてみるととても狭くて、この中に寝具や炊事道具などを持ち込んで、10日間近くも生活しながら草刈りを行っていたなんて、当時の阿蘇地方の農業はかなり過酷だったんですね。
熊本県阿蘇市は県外では最も多く訪れているところで、もう見所もあまり無いだろうと思っていましたが、ちょっとルートを変えて初めての道を通ると、まだまだ興味深い見所がたくさんありますね。



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