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白馬溪を出発したら帰途につきますが、帰り道でもう一ヶ所だけ寄り道をします。


白馬溪からは国道217号を経由して、県道205号(臼杵 坂ノ市線)へ出ました。この日の最後の目的地は臼杵市大字稲田にある前方後円墳の「臼塚古墳」ですが、場所がとても分かり難いところで、県道沿いにあるこのバス停の近くから踏切を渡って高台へと進みます。




バス停の近くからは「田崎平踏切」と名付けられたJR日豊本線の踏切を渡りましたが、その先は昔からの集落の中を縫うように、車一台がやっと通れるような道が網の目のように走っていて、目的地もよく分からずに進んで行くと・・・




三重野(みよの)公民館と書かれた真新しい建物が見えてきました。ここまではとても狭い道でしたが、ここだけは公民館の周囲がちょっと広くなっていたのでここに車を停めました。建物の前には石灯篭があって庭の一部のようにも見えましたが、




ここは「丸山古墳」という古墳で、かつては直径が10mほどの円墳があったそうですが、道路工事などによって削り取られて小さくなり、現在は石棺の底部のみが残っている状態でした。




そして公民館のすぐ先には小山のようなものが見えています。ここが次の目的地で前方後円墳の「臼塚古墳」の後円部です。古墳は集落内にあるので全体像を撮影することはできませんが、全長が87mもある臼杵市最大の前方古円墳です。ここは周辺には駐車場もありませんが、散歩中だった地元のおじさんから、公民館に車を停めてもいいよ、と言われたので、公民館に車を停めて「臼塚古墳」まで歩いて行きました。




後円部の前を通る道路をぐるりと回るとその先には鳥居がありました。ここは明治時代に前方後円墳の後円部の一部を掘削して、その上に「臼杵神社」が建立されたそうです。




さっそく鳥居を潜って臼杵神社の神殿(前方後円墳の頂部)へと向かいましたが、途中の覆い屋の中には不思議な形の石柱?がありました。この石柱は石人あるいは石甲と呼ばれる甲冑を着た武人を表しているそうで、元々は古墳上に置かれていたそうです。そして杵の上に臼を被せたような形から、臼杵の地名の語源になったとの説もあるそうです。




神殿へと続く石段は前方後円墳の前方部と後円部の中間辺りに造られていて、石段を登ったところにある臼杵神社の拝殿、本殿は後円部に建てられていました。そしてその右に見える朱塗りの覆い屋には発掘された石棺が納められています。




後円部の頂部から撮影した画像です。左は石棺を納めた覆い屋で右が臼杵神社の本殿です。画像ではちょっと分かり難いですが、後円部は神社を建てるためでしょうか? 半分ほどが削られていました。




これが発掘された一枚岩をくり抜いて造られた2つの舟形石棺です。これらの石棺は臼杵神社の建築時に発見されたそうですが、内面全体に朱が施されていて、それぞれの石棺からは2体ずつの人骨とともに多数の勾玉や鉄刀などの副葬品も出土しています。




石棺はどちらも損傷していますが、こちらは比較的原型を留めているほうの石棺です。石棺は全長が2.85mと2.25mあるそうですが、こちらは小さいほうのようでした。




ここには石棺内から発見された人骨の写真もありました。それぞれの石棺には男女2体が埋葬されていたので、これらの人骨は夫婦なんでしょうか?そしてこれらの人骨の外耳部分には潜水によって生じた思われる骨の変形(骨腫)が認められたそうですから、臼塚古墳は当時の海部(海人)の一族の有力者を埋葬したお墓なんでしょうね。




臼杵神社の拝殿からは前方部が見えますが、こちらは比較的原型を留めているように見えました。そして公民館前に立てられた説明板によると、丸山古墳の石棺の蓋は臼塚古墳の前方部に置かれていると書かれていて、杉の根元付近を見るとそれらしきものが見えました。
ここは初めて訪れるところですが、臼杵市といえば臼杵石仏が有名ですが、この辺り一帯にはいくつもの古墳があるようです。そしてこの臼塚古墳は5世紀の後半に造られた大分県でも4番目の大きさを誇る前方後円墳だそうです。



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